どうもshoto です。
先日、次世代金融エコシステム構築を目的とする「バンクエラ」がブロックチェーン専門家でありUniversity College Londonの経済博士であるPaolo Tasca(パオロ・タスカ)氏のインタビュー機会を設けました。
インタビュー中では、ブロックチェーンの新たな可能性や暗号資産の問題点から法定通貨との共存まで意見されています。
内容が面白かったのでこの記事ではインタビュー中の要点をサクッとまとめていきたいと思います。
バンクエラについては下の記事でわかりやすく解説しています。

ガバナンスを分散させるブロックチェーン
経済学者でありながらブロックチェーンに関する知見を持つPaolo氏ですが、彼いわくブロックチェーンには2つの重要な可能性があると言っています。
1つは情報技術の観点から見たブロックチェーンです。
ビットコインのようなブロックチェーンネットワークには必ずしも全てのノードが健全ではありません。
しかし、そのシステムまたはインセンティブ設計から仲介なしにP2P技術によってノードが直接取引することを可能にし、コンセンサスを達成することを可能にします。
これはよくあるブロックチェーンの定義の1つですね。
もう1つの可能性としてガバナンスの分散化です。
ブロックチェーンによりネットワークの末端まで権利を与えることで、意思決定プロセスの透明性を高めることができます。
確かにブロックチェーンはビットコインのようなネットワークだけではなく、政府や組織などにも応用できる技術だと思います。
極端な意思決定プロセスで言えば「選挙」や「立憲」などが思い浮かびますが、ブロックチェーンで意思決定プロセスの透明性を高めることができれば、僕たちの社会経済システムに長期的な影響を及ぼす可能性があるかもしれません。
非中央集権化の難しさ
Paolo氏はブロックチェーンの可能性を示唆する一方で現行のブロックチェーンネットワークの欠陥も指摘しています。
それは「非中央集権化」の難しさです。
ビットコインネットワークでは、一握りのスーパーマイナーしかマイニングできない場合があり、過去にはたった一人のマイナーがマイニングシェアの半数以上を支配したケースもあります。
また、分散型アプリケーションプラットフォームであるEthereumのようなブロックチェーンもEthereumコード全体の20%が単一のコーダーによって書かれているなど様々な意味で非中央集権化の難しさがあります。
暗号資産と法定通貨の共存について
最後に暗号資産と法定通貨の共存についてですが、Paolo氏いわく暗号資産と法定通貨は共存していく関係にあるとのこと。
例えば過去にも様々なタイプの決済手段が誕生し、70年代にはクレジットカードが導入されましたが、その際に紙幣が無くなることはありませんでした。
このように僕たちは銀行が発行するお金、クレジットカード、モバイル決済を使い分けています。
このように様々な決済手段が普及していくことでユーザーが自由に決済手段を選択し、それぞれ異なる利益を生む可能性がありますね。
ということで経済学者Paolo Tasca氏のブロックチェーンに関するインタビューの要点を簡単にまとめました。
技術的観点からだけではなく、経済学的観点など違った視点からブロックチェーンや暗号資産を見ることも重要ですね。
今後もバンクエラにはこのようなインタビューに期待したいですね。